7つの習慣
要約&感想
“7つの習慣”タイトルを聞いただけで本屋のビジネスエリアに並べられているようないわゆる the how to本のボリュームのある退屈な本だと思いました。個人的な意見ですが、このような本はあまり好きではありません。なぜかと言いますとこれらの本を読んで実践した所で表面的なスキルを磨いただけにすぎないと思うからです。受験テクニック、就職テクニックのような感じがして自分を取り繕うとしている感じが好きではありません。もちろん、このようなスキルも必要だとは思いますが、大学受験のようにこれが絶対化してしまうのは何か違うように感じます。それは、スキルの前に人格を形成しなければならないと思うからです。人格あってのスキルであると思います。私は、これらの本がベストセラーになっている日本に危機感を覚えます。出来る奴になる為の近道を表面的なスキルで見せかけようとしているのではないか?考える事の逃避、努力からの逃避をしているのではないか?と考えるのです。正直、私がこのようなえらそうなことを言える立場ではない事は、承知ですがスポーツでもそうですが近道なんてありえないと思います。日々の努力の積み重ねで必死に試行錯誤し、いつの間にか他人から評価されるような結果が出ていたというのがかっこいいではないですか。話がそれてしまいましたが、そんな他のハウツウ本とは一線を画しており、大変有意義な考えさせられる本でした。一線を画する1つの理由は、たくさんの実体験の例をベースとした理論の裏付けであると思います。そして、その例は著者と全く同じ経験はないものの、それに近いだれもが一度は経験している身近な例である所が、読んでいて今までの自分の行動に気づきを与えてくれ、深く考えさせてくれます。私もこの本を読み終えて、自分のミッションステートメントを考え始めました。また、一週間で区切ったスケジューリングを始め、時間を有意義に使うように試みています。
7つの習慣の目指すゴールは、相互依存関係を深めて良い意味でスパークリングをおこすことにあるとしています。1+1は、2ではなく相互依存関係を深める事で3にも4になることができる。その前提として必要になってくるのが主体性、信頼残高を作る、ウィンウィンな関係を作るようにつとめるなどの気高い人格だとしています。大学1年の頃からゼミの教授の方針で、答えの無いものにアプローチして最大の価値を生み出すには、1+1=2ではなく3にも4にもすることができるチームワークであると教え込まれてきました。しかし、これは言葉で言うのは簡単で、そんなことわかっている人は多いと思います。しかし、実際この正の化学反応を生み出すには相当の神経を使い、頭を使い、体力を使わないといけないことを身にしみて感じています。
例えば、大学2年の夏休みにその経験をしました。毎年、6人の2年、3年の合同チームをいくつか作ります。そして、チームごとにデータベースを活用したシステムを企画発案して、1からSQLなどの言語を使ってシステム構築して形にするというゼミのイベントがあります。そこで、チームワーク、つまり相互依存関係を最大限に活かすことの難しさを知りました。ITリテラシーの高いごく一部の人だけがさっさと平凡でドコにでもありそうなシステムを作り、プロジェクトを出来るだけ早く終えてしまっていたという現状がありました。結果、何が私たちに残ったのだろう?という何とも意味のないプロジェクトになってしまいました。難しさの源泉は、問題点が山積している事にあると思うのですが、私がこの時感じた問題点は3つです。1つ目は、コミュニケーション不足です。2年、3年合同でしかも初対面同士のメンツでなかなか言いたい事を言い合える環境でない事が問題でした。特に、後輩が積極的に発言するというのはものすごく壁があったように感じます。当時2年の私もなかなか先輩の話についていけず完全にチームの一員というより、そのチームを眺めているお客さん化していました。議論はどこか、よそよそしく腹を割っての議論はなかったような気がします。2つ目は、知識不足です。2年生であった私たちは、先輩達よりもシステムの知識に乏しく、難しい話にはついていけなくなっていました。勉強不足というのもあったのかも知れませんが、そこでも先輩と後輩の間でミゾができました。そして、出来る人がつくり、出来ない人は単なる幽霊部員ならぬ、幽霊チームメイト化(名前だけ)してしまいました。3つ目は、目的意識が無かったことでした。これが、私たちのチームを崩壊させた最大の根本原因だと思います。何の為にこのプロジェクトをやるのか、ゴールはナンなのかをハッキリさせないまま進めてしまったことに問題があると思いました。ただ、システムを形にし、みんなの前で発表し先生に提出すればよいのか?そこの所を考えなかった事が、このプロジェクトの失敗だったと強く感じました。このとき、当時2年だった私は、決してやる気が無かったわけではなく、そのプロジェクトでの努力するベクトルを見つけられないまま、もがいているまま終わってしまった。というのが本音です。先輩がどうかしてくれるという、甘い受け身な考えがあったのも事実です。
この年の反省を元に、私が3年の時はチームワークを存分に発揮できるように努めました。具体的には、さきほどの3つの問題点を改善する事からスタートしました。1つ目の問題点、学年という壁を無くしたコミュニケ−ションへの追求です。正直、たいそうな事はしていません。チーム発足した顔合わせを河原でのバーベキューにし、話し合いのときはなるべく2年生に意見を求め、それを実際に言うだけではなく、責任を持たせてやらせます。これだけで、コミュニケーションが活発になり、チームの一員としてみんな必死に頑張ってくれるようになりました。2つ目の問題点、後輩のIT知識不足です。これは、我々先輩が勉強会を開きました。一人で勉強するよりみんなでやった方が効率は悪いかもしれませんが、モチベーションが違ったように思います。また、コミュニケーションを深めるという点でも勉強会を開いたことは大変良かったと思います。そして、最後3つ目の問題点、目的意識をどうするかでした。共通の目標をどうするかが難しかったです。全員参加で納得のいくシステム作りをしようという事は決まりましたが、何か足らないような気がしました。そこで、システム自体を実際これからも使えるようなもの、使ってもらえるようなものにしようと話し合いで決まりました。今までは、作って終わり。だれからも使われない自己満足で終わっていたものがほとんどでした。これは、私の意見なのですが、誰かに必要とされているという勝手な使命感を燃やし、より頑張れた気がします。どれも、正直たいしたことをしていませんが、結果チームみんなが納得できるモノが完成しました。そして、後輩は、もちろん我々先輩も有意義なプロジェクトだったと感じることができました。そのとき、後輩と深めたコミュニケーションは今でも続いておりプロジェクトが終わった今でも情報、意見など学年を超えて入ってくるのでよかったと思っています。
この本は、如何に主体的に考えて行動することが人生を豊かにするかを再認識させてくれました。さきほどの、私の大学2年と3年のプロジェクトでも充実感といいますか、使った時間の質が天と地の差があったなと今思うと感じます。これからも、できるだけ主体的に生きていくように心がけたいと思います。それが、私にとっても周りにとっても良い事だと思うからです。
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